ヴァイオリニスト奥村智洋のブログ「こんな日々です」

音楽のこと・趣味の鉄道写真のこと・etc.

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銀座シェルマン「アクスティックサウンド展」 2013.12.10 

蓄音器&SLレコードネタを、連投させていただきます。

以前にも何回か書いた事がありますが・・・
銀座3丁目にある蓄音器&SPレコード専門店「シェルマン」では、通常は毎月最終土曜日に、無料のSPレコード・ミニコンサートを開催しているんですね。

ですが「シェルマン」では、12月6日~14日の間「アクスティック・サウンド展」というイベントを開催している兼ね合いで、先月(11月)にはミニコンサートが行われず・・・
代わりに一昨日12月8日(日)に、クラシックのSPレコードコンサートが行われたんですね!

私は先週末は、どこにも撮り鉄に出かける予定は無かったため(^^ゞ

早速数日前に「シェルマン」に電話をかけて、予約をしまして・・・
一昨日夕方、このコンサートを聴きに出かけました↓
1シェルマン1208
蓄音器&SPレコード専門店 シェルマン

↑「シェルマン」は通常、日曜日は定休日なのですが・・・
この日は「アクスティックサウンド展」開催中ということで、日曜日にもかかわらず、特別に営業していたんですね!

私は「シェルマン」のSPレコードコンサートを聴きに行く際には、常に開演時間より大分早めに会場に行って・・・
蓄音器に最も近い、最前列の席を確保して、良い音を耳に刻みたいと思っています。

それで一昨日もコンサート開演時間(18時)の30分前には、すでに会場に着いていたんですね(^o^)

そして早速、この日のコンサートで使用される蓄音器を確認してみました↓
2HMV2021208.jpg
HMV202

↑これはイギリスのグラモフォン社が1927年に製造した、「HMV202」初期型という・・・
「蓄音器界のティラノサウルス」とも言うべき、超最高級且つ、希少価値も高い機種でしたね!(^.^)

それにしても、あれ!?
私が会場に行ってから20分程経った時点でも・・・
私以外のお客は誰一人として入って来なかったんですね(・.・;)

コンサートの進行役の、「シェルマン」の店員さんは、苦笑しつつ
「今日は日曜日夕方のせいか、予約の電話はほとんど無かったんですよ」
「この日にコンサートを設定したのは、失敗でしたね」
などと言っていましたが(^_^;)
(結局この後お客は、2人だけやって来ました(^^ゞ)

そしてこの日の演目は、事前には全く告知されていなかったのですが・・・
渡されたプログラムに目を通してみると、あれ!?↓
3プログラム1208
12月8日SPレコード・ミニコンサート プログラム

プログラムに並んでいたのは、「きよしこの夜」「アレルヤ」「メサイヤ」など、クリスマスやキリスト教にちなんだ宗教曲ばかりで・・・
なんとヴァイオリンの作品は、この日のプログラムには一曲も入っていなかったんですね!
∑(゜□゜;)ガーン

私は
「あ~あ、こんなプログラムだと分かっていたら、わざわざ聴きに来る必要も無かった」

と、すっかり落ち込んでしまいました (´・ω・`)ショボーン

これから書くことはあくまで個人的見解で、皆さんに同調して欲しいわけでは決してありませんが・・・

日本にいるキリスト教徒は、日本の総人口のわずか1%ほど、約100万人しかいないんですね。

つまり日本は欧米と違って、本来は「キリスト教国」ではないわけです。

なので「12月なのでクリスマス曲を取り上げるべし」という今回の「シェルマン」のプログラム方針も・・・
私には全くピンとこないんですよね(~o~)

そもそも私はキリスト教徒では無い大多数の日本人が、毎年12月末になると「メリクリ~」などと大騒ぎすること自体、奇妙キテレツというか・・・
荒唐無稽で、バカバカしい風潮としか言いようがないと、苦々しく思っていますし。

まぁ実際は、キリスト教の教義なんてどうでもいいけれども、「クリスマス」にかこつけて商売をして・・・
大儲けをしたいという邪悪な人間が、巷でうごめいているだけでしょうけど(~_~)

それはさておき・・・
すっかり落ち込んでいた私を見て、不憫に思ったのか(^^;)店員さんが
「まだ開始時間までに5分程ありますから、何かかけましょうか?」
と私に声をかけてくれたんですね!

それでかけてくれたSPレコードが・・・
なんとパブロ・カザルス演奏の、「バッハ:トッカータト長調」だったんですね\(^o^)/↓
4トッカータト長調1208
バッハ:トッカータ ト長調
   パブロ・カザルス チェロ

パブロ・カザルスは言わずと知れた、20世紀を代表するスペインの名チェリストですが・・・
失礼ながら<(_ _)>私は復刻版CDを聴く限り、カザルスの演奏で感動したことは、一度も無かったんですね。

ですが昨年私は宮崎で、カザルスの無伴奏バッハのSPレコードを初めて聴いたのですが、それは大変素晴らしくて・・・
その時カザルスの演奏の偉大さを、やっと理解出来たような次第です。

やはりこの時代の演奏家は、復刻CDではなく・・・
蓄音器&SPで聴かないと、真価は全く分からないのではないかと思いますね!

今回聴いた「バッハ:トッカータ」も、カザルスの録音は本当に冴えわたっていました。

素晴らしく豊かな音、素晴らしく的確な表情音程、適度にこぶしが効いた見事な歌い回し・・・

私は深く感動して・・・
「あぁ、今日はここに来て良かったなぁ」
と心から満足しましたね\(^o^)/

たとえ今回は、ヴァイオリンのSPを聴くことが叶わずとも・・・
最高のチェロの名盤を1枚聴けたわけですから、それだけでもう充分ですよ!!

ヴァイオリンとチェロは、似たようなもの、言わば同族ですし(*^_^*)
・・・ただし猿に例えると、ヴァイオリン=ニホンザル チェロ=ゴリラ 程度の違いはありますが・・・

「カザルスの名演も聴くことも出来たし、もうお腹一杯。さぁ早く帰ろ」
などと、私はコンサート開始前にもかかわらず一瞬思ってしまいました(^^ゞ

ですがさすがにそこですぐに席を立って、帰ってしまうわけにも行かないので(^^ゞ
・・・私も一応大人ですから・・・
2人のお客さんと一緒に、私もコンサートを最後まで聴くことにしました。

それで結果的には、今回のコンサートは、大変良かったですね(^o^)
何よりもお客が少なかったため、ゆったりした気持ちで・・・
まったりとハイエンド蓄音器の音を堪能できたのは、最高でした!

なかでもブルーノ・ワルター指揮、ロンドン交響楽団の「コレルリ:合奏協奏曲『クリスマス』」は、音質も演奏も最高だったし・・・
ヴァイオリンのソロパートも沢山あったので、今回それを聴けたのは嬉しかったですね(^o^)
5合奏協奏曲1208
合奏協奏曲

コンサート終了後、私は2人のお客さんとともにしばらく居残って(^^ゞ
コンサートの進行役の店員さんに、いろいろと質問を投げかけていました。

そうこうしているうちに、今回使用した「HMV202」の隣に置いてあった、アメリカ・ビクター社で同時期につくられた名器「クレデンザ」の話になりまして↓
6クレデンザ1208
Victorola VE8-30X(クレデンザ)

「HMV202」と「クレデンザ」の聴き比べをさせてもらえることになりました(^o^)

そして聴き比べのために、店員さんが持ってきてくれたSPレコードが、こちらです↓
7スペイン舞曲1208
ファリャ:スペイン舞曲(クライスラー編曲)
   ジネット・ヌヴー ヴァイオリン

つ、つ、ついにヴァイオリンのSPキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
これこそ私が待ちに待っていた展開でしたね\(^o^)/

ジネット・ヌヴーは私のなかでは、間違いなく史上最高の女流ヴァイオリニストですし・・・
男性の巨匠ヴァイオリニストの演奏レベルに、最も近づくことが出来た女流と言えるでしょう!

正直私は「HMV202」vs「クレデンザ」の聴き比べよりも・・・
ヌヴーのSP名盤を聴ける機会を得たことの方が、余程嬉しかったですね!(*^_^*)

まぁ私がヴァイオリン奏者であることを店員さんは知っていたので・・・
気を効かせて、ヴァイオリンのSPを持ってきてくれたんだとは思いますが(^^ゞ

もちろん米英両名器の聴き比べも、非常に興味深いものがありました。

結論から言うと、両機の音質の傾向は、かなり異なっていまして(@_@)
一言で言うと「クレデンザ」のほうがより自然な音、「HMV202」の方がより明るく華やか、という感じでしたが・・・
この結果はかなり意外でしたね。

その後別の卓上型蓄音器2台でも、聴き比べをさせてもらいましたが↓
8ルミエ1208
HMV460「ルミエ」(英グラモフォン社 1924年)

9米ビクター1208
米ビクター社(形式番号は失念しました<(_ _)>)

こちらの聴き比べで使用したのは、先ほどの「ファリャ:スペイン舞曲」の裏面(B面)の・・・
「ホラ・スタッカート」だったんですね(^.^)↓
10ホラスタッカート1208
ディニーク:ホラ・スタッカート(ハイフェッツ編曲)
   ジネット・ヌヴー ヴァイオリン

「ホラ・スタッカート」のほうは、まぁ曲の内容が“無いよう”なので・・・
講評は差し控えますが(^^ゞ

「スペイン舞曲」のほうはダイナミックで男勝りでありながら、繊細さも兼ね備えた、非常に見事な演奏で・・・
感銘を受けましたね!\(^o^)/

いやぁ本当にヴァイオリンSPレコードの名盤を、最後の最後で聴くことが出来て・・・

本当に今回はSPレコードコンサートに足を運んで良かったと、心から思いました(^o^)

奥村智洋


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カテゴリ: 音楽のこと

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Posted on 2013/12/10 Tue. 23:06    TB: --    CM: 0

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